コミュニティ対策の提唱
通達に表れていたのは、はげしい都市化が進むなかで、生活環境の整備が立ち遅れ、住民の地域的連帯感が衰退している状態を放置しておくならば
「住民は近隣社会に対する関心を失い、人びとは孤立し、地域的な連帯感に支えられた人間らしい近隣生活を営む基盤を失うおそれがある」
・・・という危機感でした。
この通達とともに「コミュニティ」形成というカタカナ施策を公共政策の課題として浮上させるのに貢献したのは国民生活審議会コミュニティ小委員会報告『コミュニティー生活の場における人間性の回復』(昭和44年9月)でした。
・・・この報告書は、コミュニティに
「生活の場において、市民としての自主性と責任を自覚した個人及び家庭を構成主体として、地域性と各種の共通目標をもった、開放的でしかも構成員相互に信頼感のある集団」
・・・という定義を与えました。
しかも、このコミュニティは「従来の古い地域共同体」とは異なるものと明言したのです。
この考え方は、明らかに伝統的な地域共同体の統合力への断念を表していました。
しかし、このコミュニティ形成の促進事業が、ひとたび中央政府の発案により自治体の施策として推進される段になると・・・
ともすれば、町内会などの既存の地域住民組織へ実体化されやすかったことは否めないのです。